小さなkei のこと vol.2

初めての出産。
初めての子育て。

kei と母親の私は共に0歳からのスタート。

母乳の出があまりよくなくて、ミルクを足した。
見事な飲みっぷりで、みんなを驚かせた。
なにもかもが始めてで、
これでいいのかな?の手探り状態。

そんな母親の心配をよそに、keiは本当によく飲んで、よく寝て、よく笑い、すくすくと成長した。
発達状態はいたって良好。
無事に1歳を迎える。

この頃の私はもちろん、何の不安もなかった。
ただ、今から思えば既に、いろいろなサインが出ていたのだ。

kei は指差しをしなかった。
喜怒哀楽はとても豊かだったけど、「共感する」ということが欠けていた。
名前を呼んでも振り向かないことが多かった。
言葉が遅かった。

でも、成長は個人差があるし、kei もいつかできるようになると、あまり気にしていなかった。

ベビーカーに乗せてお散歩していると、何人もの人が声をかけてくれた。
青い服を着せていても、よく「女の子?」と言われた。
ただただかわいいkei がとても自慢だった。
とても愛らしかった。




ある日、kei よりも小さい子が、葉っぱを拾ってお母さんに
「どうじょ」
と渡していた。
そのお母さんは「ありがとう」と嬉しそうに笑った。

わぁ!kei より小さいのにもうあんなことができるんだ!すごいなぁ・・・!




お友達と動物園に行ったとき、しきりに動物を指差して
「あ!あ!」
と言っているお友達の子。

kei は動物ではなく、動物を見ている人を熱心に見ていた。




おばあちゃんと私とでお菓子を食べていた。
おばあちゃんは言った。
「普通、こうやって食べてると欲しがってよってくるもんだけどねぇ〜。ちゃんとしつけているのねぇ。」

そんなことしつけたことはない。kei は私が何かを食べていても「ちょうだい」というしぐさはしなかった。




公園の滑り台には、2歳すぎるまで登ろうとしなかった。
他の子と、おもちゃの取り合いは一切しなかった。
小さい子特有の、口に物をもって舐めるしぐさは全くしなかった。
自分でスプーンを持って食べることがなかった。
手づかみ食べもしなかった。
人見知りをしなかった。

「高いところには登らないから、危なくなくていいわ」
「他の子とケンカすることがないし、なんていい子なんだろう」
「口に物をもっていかないからばい菌も入らないし、誤飲の心配がなくていいわ」
「ごはんのとき、汚れなくて助かるわ」
「誰に抱かれても泣かないからみんなからかわいがってもらえて得だな」

私は全く気が付いていなかった。
まだ、何の不安も抱いていなかった。

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小さなkei のこと vol.1

-1997年-

12月のある日、私のおなかの中に新しい命があることがわかった。
私も旦那も本当に本当に喜んで、まだ袋しか映っていない写真を何度も眺めた。
今でも鮮明に覚えている、初めてkei の存在を知ったあの日。
何もかもがキラキラと輝いて見えた。

それから安定期に入るまでは激しいつわりで大変だった。
日に何度も吐き、もう何も吐くものがなくても吐きつづけ、とにかく、ただ1日1日が過ぎていくのを指折り数えた。

おなかが大きくなり、元気なkei のパンチとキックに嬉しい悲鳴をあげていた。

「イタタタ・・・!本当に元気だなぁ・・・♪」

予定日を過ぎてもなかなか出てこなくて、やっときた陣痛もとても微弱。陣痛促進剤で後押しして、一昼夜苦しんで、やっとあなたに会えた。その時は本当に本当に嬉しくて・・・

「元気な男の子ですよ!」

涙が止まらなかった。辛かった出産の痛みをすぐに忘れてしまうほど、本当に幸せな瞬間だった。

こんにちは kei 。
私があなたのお母さんよv
これからよろしくね。

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